私には小学生の子供が2人います。上の子はもう5年生。
そろそろ「将来の夢」を考えさせなきゃいけない頃なんじゃないかと思っています。
「小学校の高学年のときに抱いた夢は、早期から努力を始めるので叶いやすい」
そんなことを聞いたことがあります。
でも、親として何をしてあげるべきなのかがわかりません。自分が子供の頃、将来の夢なんて持ったことありませんでしたから。
正しい子育てはどうすればいいのか?間違えたら子供の夢を壊してしまうのではないか?
いろいろ心配になりました。そこで、いろいろ考えてみました。
一番やらなければならない事はなにか?
かのスティーブ・ジョブズはこう言いました。
目の前の好きなことをやりなさい。自分の人生で役に立つかどうかなんてわからなくても、いまそれが自分にとって魅力的なのであればそれをやりなさい。点と点はどこかでつながり、あなたの人生に役立つ日が必ず来ます。その日を信じて、好きなことをやりなさい。まだ見つけていないなら探しなさい。絶対に妥協してはならない。見つかるまで探し続けなさい。
これは2005年、スタンフォード大学の卒業式に招かれたジョブズがスピーチした内容の一部です。
ジョブズが言うところの、一番やらなければならないこと、とは
「たまらなく好きなものを見つけて実行すること」
なんですね。
たまらなく好きなことを見つけて、それをやり続ける。それは複数でもよい。
すると、それらがいつか結びついて、自分の人生の役に立つ日が来るんだよ、と。
大学の卒業生に向けた言葉なのである程度の前提があるにせよ、言ってることはわかります。
じゃあ、子供にはとにかく好きなことをやらせるってことで。
以上!
で、済めばいいんですけど。。。
「本当に好きなもの」を見つけるのって、実は難しいんです。
ジョブズでさえスピーチの中で、
「とにかく好きなものを見つけることが重要です。私は人生の早い段階でそれができたので幸運でした」
と言っています。幸運なことなんですね。
ジョブズがスティーブ・ウォズニアックとともにパソコンを作り始めたのは、大学生になってからです。
きっと子供の頃から好奇心旺盛で、目の前の好きなものをとことんやってきて、「好きなモノを愛する」という気持ちを大切にしながら育ったんじゃないかと思います。
「自分は何が好きなのかを知る。見つかるまで妥協してはいけない」
まずはこれが、「人生の早い段階」でやらなければならないことのようです。
「夢」について
ジョブズは「目の前の好きなことをやりなさい」と言いました。
しかし何の目標もなく、ただ目の前の好きなことだけをやっていればいい、というわけには行きませんよね。
何かしらの夢を持たせてあげたいです。
夢には
「努力さえすれば誰にでも叶えられる夢」
「努力しても叶う確率の低い夢」
この2種類があると思っています。
努力すれば誰にでも叶えられる夢
例えば医者や弁護士、美容師、料理人、学校の先生、自衛隊員、警察官などなど。
本当にやりたいことが決まれば、それに向かって努力あるのみ。
努力すればするほど夢に近づくし、やった努力がムダになりません。
でもこの場合大事なのは「何者かになれた後」だってことを、子供には教えておきたいです。
いい医者、いい先生、腕のいい美容師、腕のいい料理人など。
逆に、何者かになれただけで努力を止めてしまう人は、周りの人の迷惑になるということも、同時に教えてあげる必要があると思います。
ダメな医者、先生、警察官、下手な美容師、料理人。
迷惑です。
冒頭の
「小学校の高学年のときに抱いた夢は、早期から努力を始めるので叶いやすい」
というのは、人生の早い段階から、その道のトップを目指す努力を始めることができる、というメリットのことを言っているんだと思います。
親として、まずは世の中にどんな仕事があって、それを目指すにはどうすればいいか?という情報を、子供に提供した方がいいですね。
努力しても叶う確率の低い夢
宇宙飛行士、トップアイドル、レアルの10番、などなど。
「それを言うと皆が笑うような高い目標」ですね。
この場合、聞いた方は冗談だと思ってしまいがち。
でも、叶えるための具体的な方法がわからないくらい現実離れした目標でも、まずは夢として憧れを抱かないことには前へ進みません。
また、本人が本気で言ってるのに、親が鼻で笑ってしまっては、子供は夢を持てなくなってしまいます。
だから、もし小学5年生が「宇宙飛行士になりたい」「トップアイドルになりたい」「サッカー選手になってレアルの10番になる」なんてことを言いだしたら、親は本気でアドバイスするなり、サポートしてあげるなり、する必要があります。
ただし、その夢が「本当に好きなこと」の延長にあるのかどうかは気になりますよね。ただの憧れで言ってるだけなんじゃないかと。
気にはなりますけど、その時に本気で強い興味を持っているようであれば、しばらく様子を見ても良いと思いますよ。
どうせ最終目標なんてなかなか決まりませんから。
早いうちから目標が決まることに越したことはないけど、あちこち寄り道して、いろいろ考えるっていう経験も大事。
その方が「他と比べてこれが好き」と、後になって言えますしね。
とにかく、子供が壮大な夢を口にしたからといって、冗談で済ませてはいけません。親だけはマジメに聞いてあげましょう。
そしてその夢を叶えるためにはどうすればいいのか、一度は真剣に話し合うべきです。
「夢に向かって突き進め!」について
まずは夢を持たないと、叶う夢も叶わなくなります。
だから夢を持つことは大事。
でも最近、IT系のベンチャー企業が増え、若くして成功した人が増えたからなのか、
若者に対して
「夢に向かって突き進め!」
「失敗を恐れず挑戦しよう!」
なんていう声が増えていると感じます。
本当にそれでいいのか、私はとても疑問です。
「努力すれば誰にでも叶えられる夢」ならまだよいのですが、それが「努力しても叶う確率の低い夢」の場合には、リスクがあることも考える必要があるからです。
宇宙飛行士やトップアイドルなどは、何万、何十万、ときには何百万人もの中から選ばれた、ほんの一握りの人だけがなれるもの。
アメリカのシリコンバレーでは、年間17,000ものスタートアップが起業するそうですが、生き残るのはほんの一握り。
自分の信じた道を、失敗を恐れず突き進んだ結果、そのほとんどが夢破れて去っていくわけです。
スマホのアプリだって、何百万個もある中で、毎日使われているのなんて数百くらいなんじゃないでしょうか。それを生業(なりわい)とするには、かなりハードルが高いわけです。
「努力しても叶う確率の低い夢」というのは、目標が高いだけに当たればデカイけど、かなりリスクの高いチャレンジです。
だから安易に「夢に向かって突き進め!」というのは無責任だと思います。
少なくとも、チャレンジは失敗を恐れながらした方が良さそう。
でも、だからと言って、
「そんな夢は叶わない可能性の方が高いんだから、安定を目指して地道に生きろ」
なんてこと、子供には絶対に言いたくありませんよね。
子供には幸せになって欲しいけど、つまらない人生を歩んで欲しくはありません。
夢破れた人の言葉は聞こえてこない
「努力しても叶う確率の低い夢」で、もう一つ。
そもそも、成功した人の声しか耳に入ってこないということ。
「失敗を恐れず挑戦しよう!」「好きなことをして生きて行こう!」「夢をあきらめるな!」
テレビやネットでこういうこと言っているのって、何かに挑戦して成功した人達ばかり。
実業家のホリエモン、サッカー選手の本田圭佑、売れっ子ミュージシャン、等々。
夢破れて実家に帰ったり、精神を病んで引きこもったり、自殺してしまったりしたような人達の言葉は、私たちには届きません。
この前解散してしまった°C-uteというアイドルグループが武道館公演を実現した時、
「夢って本当に叶うんだなって思った」
って言ってた記事を見ました。
でも彼女達、そもそもハロプロのオーディションで27,958名から選ばれてるわけです。
1回夢が叶ってるんですね。
もちろん本人達の血の滲むような努力があったからこそ、その後の大きな夢につながったことは間違いないんでしょうけど、彼女達の後ろには約27,950人の「夢破れた子達」がいるわけです。
それなのに、夢が叶ったキラキラした人達だけを見て「私もああなりたい!」と夢を抱くのって、危険だと思うんです。
「この人はたまたま運がよかったんだよ」とか「この人は天才だから夢が叶ったんだよ」なんていう、夢の無いことを子供には言いたくありません。
だけど、夢が叶った人達の「夢は叶う!」という言葉を鵜呑みにするのは、避けた方がいいです。
もし子供が大き過ぎる夢を持つようになったらその辺の話をちゃんとして、鵜呑みにしていないか確認したいところです。
夢は持っていいが、目指し方がある
どんなに大それた夢であっても、夢を持ち、それを目指すことは自由です。
頭ごなしに「そんなの無理に決まってるじゃん」と言ってはいけません。
ただ、自由ではあるけど「努力しても叶う確率の低い夢」は、「努力しても叶わない確率の高い夢」であることを考慮して、夢が叶わなかったときの生き方を用意しておくことが必要。
それが正しい「夢の目指し方」なのだと私は思います。
サッカー選手からサッカーを取ったら何も残らない、とかね。
そうならないために、周りの大人がサポートしておくべきです。
さいごに
小学5年生に、将来の夢を考えさせるために。
- 「自分は何が好きなのか」を探させる。見つかるまで妥協してはいけない。
- いつか必ず、自分がやってきた「好きなこと」同士が繋がり、人生の役に立つ日が来る、ということを教える。
- 子供が将来の夢を見つけるために、親は子供に情報を提供してあげる。
- 夢には「努力さえすれば誰にでも叶えられる夢」と「努力しても叶う確率の低い夢」があることを教える。
- 子供が「努力しても叶う確率の低い夢」を口にしたら、親は本気度を確認する。
- 例え大それた夢であっても、叶えるためには何をすればよいか、一度は真剣に話し合う。
- 「叶う確率の低い夢」を目指す場合は、夢が叶わなかったときのバックアッププランをちゃんと考えておく。
- どんな夢を目指すにせよ、本当に大事なのは叶った後、ということも話しておく。
- 遺伝子検査で、自分の子供には何が向いているのかを知るのも一つの手。
こんなところでしょうか。
もちろんこれが全部では無いですよね。
大人になった時、たまたま就いた職業が天職だと思えたり、今は存在しない職業が将来出現し、それが自分にピッタリだと思える日がくるかもしれません。
いずれにせよ、
「自分が何が好きかを見つけてそれをやる」
このことを大事にしたいと思います。
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