角田裕毅の合格ラインは?過去の2ndドライバーの予選成績から考察してみた

F1の世界
画像引用元:Formula 1®

2025年第3戦日本GPからレッドブルへ昇格した角田裕毅。みなさんご存じの通り、なかなか苦労しています。

角田は遅いのか?ペレスはけっこう活躍してたじゃん?

じゃあペレスはどうだったのか?ガスリーやアルボンは?
角田君はどこまでマックスに近づけば合格なのか?
過去のレッドブルの2ndドライバーの予選成績を比較考察してみました。

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マックスと角田裕毅の予選タイム差

角田裕毅のレッドブルに昇格してからの予選成績です。
表は、速いタイムの参考として、ピアストリを比較に加えました。

  • Q1敗退:1回
  • Q1でクラッシュ:1回
  • Q2敗退:2回
  • Q3進出:3回

7戦のうちQ3まで進んだのは3回のみ。確率42.8%です。
この3戦のマックスとの差の平均が0.843秒。
つまり、マックスより平均して0.843秒遅いということになります。
FPではもっと近づくのですが、予選では一番迫ったのがマイアミでの0.739差です。

グランプリ ドライバー 順位 Q3タイム MAXとの
タイム差
JAPAN Max Verstappen 1 1:26.983
Oscar Piastri 3 1:27.027 0.044
角田裕毅 15 1:28.000 Q2敗退
BAHRAIN Max Verstappen 7 1:30.423
Oscar Piastri 1 1:29.841 -0.582
角田裕毅 10 1:31.303 0.88
SAUDI ARABIA Max Verstappen 1 1:27.294
Oscar Piastri 2 1:27.304 0.01
角田裕毅 8 1:28.204 0.91
MIAMI Max Verstappen 1 1:26.204
Oscar Piastri 4 1:26.375 0.171
角田裕毅 10 1:26.943 0.739
EMILIA-ROMAGNA Max Verstappen 2 1:14.704
Oscar Piastri 1 1:14.670 -0.034
角田裕毅 20 DNF DNF
MONACO Max Verstappen 5 1:10.669
Oscar Piastri 3 1:10.129 -0.54
角田裕毅 12 1:11.415 Q2敗退
SPAIN Max Verstappen 3 1:11.848
Oscar Piastri 1 1:11.546 -0.302
角田裕毅 20 1:13.385 Q1敗退

 

マックスとペレスの予選タイム差

では、ペレスの場合を見てみましょう。2024年の全レースを並べてみました。
速いタイムの参考として、ノリスを比較に加えました。

  • Q2敗退:9回
  • Q3進出:14回(1回はタイム抹消)

ペレスは23戦中14回と、60.8%の確率でQ3へ進出しました。
トラリミでタイム抹消となった回を除く全13回のマックスとの差は平均0.405秒でした。

よく見ると、前半はマックスとの差が0.4秒以内であれば5位以内に入れています。
中国GPなんて、0.322差なのに予選2位です。それだけレッドブルが速かったということですね。
しかし最終戦アブダビでは、マックスは5位に沈み、0.319差のペレスは10位です。

グランプリ ドライバー 順位 Q3タイム MAXとの
タイム差
BAHRAIN Max Verstappen 1 1:29.179
Sergio Perez 5 1:29.537 +0.358
Lando Norris 7 1:29.614 +0.435
SAUDI ARABIA Max Verstappen 1 1:27.472
Sergio Perez 3 1:27.807 +0.335
Lando Norris 6 1:28.132 +0.660
AUSTRALIA Max Verstappen 1 1:15.915
Sergio Perez 3 1:16.274 +0.359
Lando Norris 4 1:16.315 +0.400
JAPAN Max Verstappen 1 1:28.197
Sergio Perez 2 1:28.263 +0.066
Lando Norris 3 1:28.489 +0.292
CHINA Max Verstappen 1 1:33.660
Sergio Perez 2 1:33.982 +0.322
Lando Norris 4 1:34.165 +0.505
MIAMI Max Verstappen 1 1:27.241
Sergio Perez 4 1:27.460 +0.219
Lando Norris 5 1:27.594 +0.353
EMILIA-ROMAGNA Max Verstappen 1 1:14.746
Sergio Perez 11 Q2敗退
Lando Norris 3 1:14.837 +0.091
MONACO Max Verstappen 6 1:10.567
Sergio Perez 16 Q2敗退
Lando Norris 4 1:10.542 -0.025
CANADA Max Verstappen 2 1:12.000
Sergio Perez 16 Q2敗退
Lando Norris 3 1:12.021 +0.021
SPAIN Max Verstappen 2 1:11.403
Sergio Perez 8 1:12.061 +0.658
Lando Norris 1 1:11.383 -0.02
AUSTRIA Max Verstappen 1 1:04.314
Sergio Perez 8 1:05.202 +0.888
Lando Norris 2 1:04.718 +0.404
GREAT BRITAIN Max Verstappen 4 1:26.203
Sergio Perez 19 Q2敗退
Lando Norris 3 1:26.030 -0.173
HUNGARY Max Verstappen 3 1:15.273
Sergio Perez 16 Q2敗退
Lando Norris 1 1:15.227 -0.046
BELGIUM Max Verstappen 1 1:53.159
Sergio Perez 3 1:53.765 +0.606
Lando Norris 5 1:53.981 +0.822
NETHERLANDS Max Verstappen 2 1:10.029
Sergio Perez 5 1:10.416 +0.387
Lando Norris 1 1:09.673 -0.356
ITALY Max Verstappen 7 1:20.022
Sergio Perez 8 1:20.062 +0.040
Lando Norris 1 1:19.327 -0.695
AZERBAIJAN Max Verstappen 6 1:42.023
Sergio Perez 4 1:41.813 -0.21
Lando Norris 16 N/A
SINGAPORE Max Verstappen 2 1:29.728
Sergio Perez 13 Q2敗退
Lando Norris 1 1:29.525 -0.203
UNITED STATES Max Verstappen 2 1:32.361
Sergio Perez 10 タイム抹消
Lando Norris 1 1:32.330 -0.031
MÉXICO Max Verstappen 2 1:16.171
Sergio Perez 18 Q2敗退
Lando Norris 3 1:16.260 +0.089
SÃO PAULO Max Verstappen 12
Sergio Perez 13 Q2敗退
Lando Norris 1 1:23.405 N/A
LAS VEGAS Max Verstappen 5 1:32.797
Sergio Perez 16 Q2敗退
Lando Norris 6 1:33.008 +0.211
QATAR Max Verstappen 1 1:20.520
Sergio Perez 9 1:21.425 +0.905
Lando Norris 3 1:20.772 +0.252
ABU DHABI Max Verstappen 5 1:22.945
Sergio Perez 10 1:23.264 +0.319
Lando Norris 1 1:22.595 -0.35

 

ペレスの不調の原因

2024年、マックスは10回、ノリスは7回のポールポジションを取りました。
これに対し、ペレスはQ3進出を9回失敗しました。

マックスとの差をグラフにすると、2024年の後半はノリスの調子が上がり、ペレスの調子が下がっていることがよくわかります。

これは後半になるにつれて、マクラーレンに迫られて焦ったレッドブルが、とにかくマックス好みのマシン開発をした結果だという説が有力です。
本当かどうかわかりませんが、きっと本当でしょう。

だとするとレッドブルのマシンは、何度も優勝したことのある大ベテランのペレスでさえも、乗りこなせなくなるくらいクセの強いマシンになってしまったということになります。

そして角田君はいま、そんなマシンを乗りこなして結果を出さなければならない状況になっているわけです。

 

ガスリーやアルボンはどうだったのか?

2019年はレッドブルの2ndシートに、ガスリーとアルボンが乗りました。全21戦のうち、前半12戦がガスリー、後半9戦がアルボンです。
ガスリーが降ろされアルボンに交代し、アルボンが降ろされペレスに交代した経緯があります。
では、この2人のマックスとの差を見てみましょう。

ガスリーの12戦

  • Q1敗退:1回
  • Q2敗退:1回
  • Q3進出:9回
  • 失格:1回

ガスリーは12戦中9回と、75%の確率でQ3へ進出しました。
マックスがQ2敗退したカナダGP以外の、8回のQ3タイムを集計した結果、マックスとのタイム差の平均は0.591秒でした。

アルボンの9戦

  • Q1でクラッシュ:1回
  • Q2敗退:1回
  • Q3進出:7回

アルボンは9戦中7回と、77.7%の確率でQ3へ進出しました。
マックスがタイムを出せなかったイタリアGPを除く、6回のQ3タイムを集計した結果、マックスとのタイム差の平均は0.433秒でした。
しかも日本GPでは同タイムを出しています。

グランプリ ドライバー 順位 Q3タイム MAXとのタイム差
AUSTRALIA Max Verstappen 4 1:21.320
Pierre Gasly 17 Q1敗退
BAHRAIN Max Verstappen 5 1:28.752
Pierre Gasly 13 Q2敗退
CHINA Max Verstappen 5 1:32.089
Pierre Gasly 6 1:32.930 0.841
AZERBAIJAN Max Verstappen 4 1:41.069
Pierre Gasly 失格
SPAIN Max Verstappen 4 1:16.357
Pierre Gasly 6 1:16.708 0.351
MONACO Max Verstappen 3 1:10.641
Pierre Gasly 5 1:11.041 0.400
CANADA Pierre Gasly 5 1:11.079
Max Verstappen 11 Q2敗退
FRANCE Max Verstappen 4 1:29.409
Pierre Gasly 9 1:30.184 0.775
AUSTRIA Max Verstappen 3 1:03.439
Pierre Gasly 9 1:04.199 0.760
BRITISH Max Verstappen 4 1:25.276
Pierre Gasly 5 1:25.590 0.314
GERMANY Max Verstappen 2 1:12.113
Pierre Gasly 4 1:12.522 0.409
HUNGARY Max Verstappen 1 1:14.572
Pierre Gasly 6 1:15.450 0.878
BELGIUM Max Verstappen 5 1:43.690
Alex Albon 14 Q2敗退
ITALY Alex Albon 8 1:20.021
Max Verstappen NC タイム無し
SINGAPORE Max Verstappen 4 1:36.813
Alex Albon 6 1:37.411 0.598
RUSSIA Max Verstappen 4 1:32.310
Alex Albon 19 Q1でクラッシュ
JAPAN Max Verstappen 5 1:27.851
Alex Albon 6 1:27.851 同タイム
MEXICO Max Verstappen 1 1:14.758
Alex Albon 5 1:15.336 0.578
UNITED STATES Max Verstappen 3 1:32.096
Alex Albon 6 1:32.548 0.452
BRAZIL Max Verstappen 1 1:07.508
Alex Albon 6 1:07.935 0.427
ABU DHABI Max Verstappen 3 1:35.139
Alex Albon 6 1:35.682 0.543

 

4人のまとめ

角田裕毅、ガスリー、アルボン、ペレスについて、予選成績をまとめてみました。

比較レース数 Q3進出確率 MAXとのタイム差平均
角田裕毅 7 42.8% 0.843
ガスリー 12 75.0% 0.591
アルボン 9 77.7% 0.433
ペレス 24 60.8% 0.405

Q3に進出した場合のタイム差だけを見ればペレスが最速ですが、Q3進出確率が低いため、レースでのポイント獲得が難しくなっていました。
アルボンとガスリーは、今見ればそこまで悪くないように見えます。
ガスリーは予選で最高4位を獲得してますし、ドイツGPではマックスとの差を0.314まで詰めています。
アルボンはタイム差の平均はガスリーより速く、Q3進出の確率も高く安定しています。しかし1発の速さが足りないですね。

 

角田裕毅の合格ラインは?

合格ラインはマックスから0.3秒差以内、とマルコに言われていました。
しかし過去の2ndドライバーの成績を見ると、0.3秒以内は実は結構難しいラインだということがわかります。しかもペレスでさえ乗りこなせなくなってしまった後の現在のマシンで。RB21で。
合格ラインは、せめてペレス同等の0.4秒以内にしてほしいところです。

しかし現在のレッドブルのマシンで、予選でマックスから0.4秒差だと7~9位くらいになってしまいます。今はRBがその位置まで上がって来ています。
0.3秒差なら、5位~6位あたりです。

しかもペレスの0.4秒は、クビになった年のタイム差。
レッドブルのコンスト争いを考えれば、やはり0.3秒以内が条件ということになってきます。

レッドブルとしても、角田君がいつまでもタイム差を縮められなければ他を探すしか無くなってくるというのもまた事実。

角田君の代わりとして、すぐにアジャーやリンドブラッドの名前が挙がります。
彼らの才能も凄いですが、経験が浅いのでRB21のセッティングができるかどうかは未知数。
まぁ、それでも速く走れちゃったりするのが天才F1ドライバーだったりするので何とも言えませんが。

このページを書いているのは2025年6月13日。
いよいよ第10戦カナダグランプリです。

とにかくがんばれ角田裕毅!!!

DAZN 
 

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