「行動」の呼び名を変えたり新たに付けたりすると、見かたやモチベーションが変わるという話

エッセイ

例えばサッカーで、あるチーム同士が対戦することを「試合」と呼びますよね。

これは、対戦して勝敗を決める行動に「試合」という呼び名が付いているわけです。当たり前ですけど。

でも呼び名があるから、いちいち説明しなくても、何をするのかがわかります。

自分や人の行動に名前を付けたり、別の名前を付けたりすると、面白く見えるようになったり、モチベーションの維持に繋がったりすることがありますよ。





 

笑いに変える

私の会社に須藤さん(仮名)という人がいます。

須藤さんは会議などで、同じことを何度も言うタイプの人なんですね。

例えば

「やはり、先にユーザー調査をしてからアイデア出しをやるべきだと思う。ユーザー調査が先じゃないと、アイデア出しをしても方向がズレる恐れがあるし、やはり先にユーザー調査をしてから、アイデア出しをした方がいいと思う」

しばらくしてまた

「だからさ、やっぱ先にユーザー調査をしようよ、その後にアイデア出ししようよ。ユーザー調査をさ、先にやるの、アイデア出しより」

そしてしばらくしてまた…

「やっぱさ~ユーザー調査がさ~」

・・・・・・

ウソのようで本当の話。でも部長だから、こういう時に周りの人は誰も文句を言えず、ただウンザリしているだけでした。

ある日、同じ部の同僚とともに、須藤部長のこの行動に「須藤」という呼び名を付けました。

同じことを7回言ったら「須藤成立」。

それ以来、会議で須藤部長が同じことを言い始めると、皆、目で合図して心の中で回数を数え、須藤部長が同じことを7回言った瞬間、ニヤニヤしたり、机の下で小さなガッツポーズをしたりしています。

 

印象を変える

男女が2人きりで一緒に遊びに行くことを「デート」と言いますよね。

一般的に「デート」という行動は、恋人、もしくは恋人候補と行くもの、という認識だと思います。

だから、気になる人をデートに誘うときに「デートしようよ」というのは、「恋人候補として一緒に遊びに行こうよ」と言っているようなもの。

ちょっと距離がある関係のときには、いきなりこれは無いですよね。

 

気になる人をデートに誘いたいというときは「デートしようよ」とは言わず、印象の違う別の言い方をしましょう。

  • 「友達のプレゼントを一緒に選んで欲しい」
  • 「男1人だと行きづらい場所だから一緒に行ってほしい」

ほら、恋愛の匂いが無い。

一緒に遊びに行くわけでは無いんです。そこには必然性があるわけですね。

でも、日にち(Date)と時間を決めて2人きりで出かける、という行動は全く同じw

同じ行動でも、言い方一つで後々の成功確率が変わってきますね。

 

モチベーションを上げる

知識を増やすために何かを覚える行動のことを「勉強する」と呼びます。

例えば子供に「算数の勉強しようよ」と言うのと「数字遊びしようよ」と言うのとでは、反応が全く違います。

部屋の片付けなども「片付けなさい」と言うのと「片付けゲーム、よーいスタート!」と言うのとでは、これも反応が違います。

やることは同じだけど、言い方一つでモチベーションが上がるわけです。

 

私は自分がジムへトレーニングをしに行くことを「部活」と呼んでいます。

筋トレが辛いし面倒なんだけど、部活なんだからしょうがない。

そうやって自分に暗示をかけてモチベーションを維持しているわけですね。

同じように、ジョギングすることを「そぎ落とし」と呼んでいます。

「そぎ落とし行ってくる」と言って走りに行きます。

 

最後に

まだ名前の無い行動に名前を付けたり、すでにある呼び方を変えたりすることで、その行動の見かたや、その行動をするためのモチベーションが変わるということを、イメージしていただけたでしょうか?

特に、まだ名前の無い行動に名前を付けることで、その行動をするための決心がしやすくなったり、辛い状況を笑いに変えたりすることもできます。

 

デンマークでは「居心地がいい時間や空間」や「気を使わずにくつろげる空間」のことを、「ヒュッゲ」と呼ぶそうです。

 

毎日の生活を少しでも楽しくするために、自分だけの「ヒュッゲ」的な言葉を作ってみてください。

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